画家が見たこども展

arts -美術館へ行く-

三菱一号館美術館で開催中の「画家が見たこども展」

新型コロナウイルス感染防止対策のため、事前予約制での開催です。

新型コロナウイルスによって、美術館の企画展は軒並み事前予約制となり、
ふと思い立った時に突然行くということはできなくなったものの、
人気の美術展でも混雑を気にせずゆっくり鑑賞できるという点では
とても良い制度だなと思っています。

実際、この「画家が見たこども展」も、ゆったりとマイペースに
鑑賞することができました。

三菱一号館美術館の開館10周年を記念してのこの企画展。

1800年代後半から1900年頃のパリで起こった芸術運動の一つに
「ナビ派」があります。

彼らは印象派に続く世代の芸術家グループです。
主要メンバーにピエール・ボナール、モーリス・ドニなどがいます。

画家ポール・セリュジエがフランス北西部に滞在していたゴーガンから
教えを受け、奥行きを作らない簡素化された線と鮮やかな色相で絵画を描き、
それをパリのアカデミーに持ち帰りました。

アカデミーの仲間たちはその美しさに魅了され、「タリスマン=護符」と
名付けたそうです。
それをきっかけに結成された集団がヘブライ語で預言者を意味する
「neviim」の派生で「ナビ派」と名乗るようになったとされています。

ナビ派の中に私が好きな画家の一人、フェリックス・ヴァロットンがいます。
ヴァロットンの作品の一つに、モノクロで妖艶な雰囲気の大人たちが描かれている
『アンティミテ』という版画があるのですが、冷たい炎の画家と呼ばれる
ヴァロットンらしさが出ていて、最も好きです。

『アンティミテ』も三菱一号館美術館に収蔵されているのですが、
今回は子どもがテーマとなっている企画展なので、残念ながら観ることは
出来ませんでした。

ちなみに今回は彼らが影響を受けたとされる印象派後期の有名画家、
ゴッホやゴーギャンの作品も展示されています。

 

当初の会期から延長され、9月22日までの開催予定だそうです。

コメント

PAGE TOP