私が口紅をまともに使うようになったのは、30代も半ばに差し掛かった頃でした。
ここ数年のことです。
食事の時コップに色が付いてしまうことが嫌だったのと、唇が薄いので
そもそも口紅が似合わないと思い、使うことを避けていました。
ところが、ある時ふと鏡を見て自分の唇がとても青白くなっていることに気づきました。
自分がとても不健康そうに見えました。
ちょうど仕事が忙しい時期で、睡眠時間があまり確保できていなかったため、
それが原因かと思っていたのですが、時間が経っても色は改善しませんでした。
このままではいけないと思い、メイクの力を借りることにしたのです。
百貨店のコスメカウンターへ行き、美容部員さんと一緒に様々な色を試しました。
そして、比較的薄付きなローズ系の色に辿り着きました。
不健康そうに見える私の青白い顔色を明るくしてくれる、赤みが少し強い色でした。
上唇、下唇ともに薄い私が使っても浮かない程度の発色だったのも気に入りました。
美容部員さんに助けてもらいながら決めたという絶対的な安心と自信を胸に、
私はその1本を使い続けました。
話が飛びますが、私はメイクで迷った時には百貨店などにあるコスメカウンターを
積極的に利用することをオススメしています。
理由はこちらの記事をどうぞ
話を戻します。
選び抜いた1色を数年に渡りリピート使いしていた私ですが、
つい最近、唇の色に違和感を覚えるようになりました。
「なんか顔色と合っていない」
「唇だけ浮いている気がする・・・」
血色の悪さはさほど以前と変わっていないのに、そんな風に感じるのです。
一度そう思い始めると落ち着かなくなってしまい、
何年かぶりにコスメカウンターで口紅の色を見直してみることにしました。
私は口紅やグロスといったアイテムを、原則1本しか持ちません。
普段持ち歩くポーチをごちゃごちゃさせたくないというのが最大の理由ですが、
複数の口紅を服装や気分に合わせて上手に使いこなす自信もありません。
「小さなバッグに入っているのは口紅1本とスマホだけ」
なんてカッコイイスタイルでいつか出掛けたい、というミーハーな思いもあります。
さて、実際に様々な色を試した結果、行き着いたのは
まさかのボルドー系の色でした。
色は今までより少し紫寄りになり、明度も低くなりました。
試す前は内心
「ただでさえ血色悪いのに一層悪く見えそう」
「ゼッタイ老けてみえる。ありえない」
なんて思っていたので、美容部員さんに勧められてもあまり乗り気がしませんでした。
ところが、いざ唇に色を乗せてもらうと、口紅の色そのものは暗いはずなのに
肌の色は1トーン明るくなったように思いました。
かと言って唇だけが浮いた感じもありませんでした。
色味が変わったことで顔全体の印象は今までから大きく変わったものの、
私の顔のつくりには合う色だったようです。
美容部員さんのお墨付きももらい、数か月前から私の口紅は
ローズ系からボルドー系になりました。
「年齢とともに似合う色が変わる」
これを実感した瞬間でした。
今まで当たり前に使えていた明るい若々しい色が使えなくなるのは、
正直ちょっと残念ではあります。
しかし、今まで選択候補にも挙がらなかった色を使うことができるという
新鮮さを、今後しばらくは味わうことができます。
実はここ1年ほど、服装でも同じような変化が起きました。
今まで当然のように着ていた服に違和感を感じるということが度々あり、
一度購入した服を比較的長く着用するため、最初は「飽きたのかな」と
思っていたのですが、そうではなかったようです。
年齢による体格や顔つきのちょっとした変化、
そして全体の雰囲気。
そんなものが影響しているのかなと考えています。
私の場合、長年体重に変化はないものの、ここ数年で鎖骨まわりの肉付きが
落ちてきたように感じます。
ついでに悲しい話ですが、バストも少し貧相になったと思います。
元々肩幅が広いこともあり、それをぼかすために暑い季節はあえて首回りが広く開いた
服を選ぶようにしていましたし、冬は身体のラインが出やすいタートルネックの
セーターなどを好んで着用していました。
しかし、鎖骨まわりとバストが貧相になったことで、
これらがあまり似合わなくなってきたように感じています。
あまり論理的な話ではありませんが、加齢だけでなくこれまでの経験や体験によって、
顔つきは当然に変わっていく、というのが私の個人的な考えです。
例えば仕事で自分が演じなくてはならない役回りや立場が変われば、
おのずと醸し出す雰囲気や顔つきも変わっていくものと思っています。
服装やメイクを大きく変えるのは勇気のいることです。
特に自分が気に入っていたスタイルなりを手放さなければならないときは、
悲しさや喪失感も味わいます。
それでも、勇気を出して一歩進んだときの感覚は、これまた一つの貴重な経験です。
ここ最近、自分自身に起きている変化に戸惑いつつも、
「これは私のスタイルではない」
と自分の中の何かが反応したら、自分の直感を信じて潔く次のステージへ飛ぶ
勇気を常に持っていたいなと思っています。
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